【第29回】
〜失敗しない家づくりは入念な準備から〜
日本人のしきたりと家づくり(2)

ハウジング・ナビゲーター 亀岡 章
プロフィール

日本人は季節の節目だけでなく、年齢に応じた人生の節目・節目を大切にしてきました。子供が成長し、大人になるための通過礼儀として、“七五三”や“成人式(元服)”などがあり、また長寿を祝い、年長者に敬意を表す意味で還暦や古希のお祝いなどを行ってきました。
さて、家づくりの節目として最も代表的なしきたりとしては、“地鎮祭”と“棟上式(上棟式)”があげられます。
さまざまな伝統、習慣が忘れられゆくなかで、そこに込められた意味をもう一度見直し、日本人の豊かな人生観を思い返していきたいものです。

【祝い事のしきたり】
■地鎮祭(じちんさい) ・・・・ どんな目的があるのか
この儀式を行うわけは、作業をするに当たって、その土地のケガレを清めはらって、土地に宿る神霊を鎮めるためで、作業にとりかかる前のいわば安全祈願のお祭りです。もともと平安時代は、陰陽師(おんみょうじ)と呼ばれる吉凶や災難などを占う呪術師が行っていましたが、明治以降、神主が中心に行うようになり、現在に至っています。家を新築する際には、工事の安全を祈願して行うことが多いようです。
■棟上式(むねあげしき) ・・・・ 建物の完成間近に行う理由
家の骨組みができあがって、いよいよ柱や梁(はり)の上に棟木(むなぎ)を上げる際に“棟上式(むねあげしき)”“上棟式(じょうとうしき)”を行います。 木造の家では棟木が屋根を支える重要な役割であることから、こうした儀式が生まれました。 棟上式は建築が完成間近まで進んだことを土地の神霊に報告して、感謝するための儀式です。 また、現場で活躍した職人さんたちの労いの意味も含まれています。

“家づくり”は思いやりの心が大切ですね。